開業後の1年:確定申告・消費税・将来の備え
開業後は、毎月の帳簿と、年1回の確定申告が基本です。消費税は最初の2年は原則かかりません。余裕が出てきたら、小規模企業共済やiDeCoで将来に備えましょう。
最終確認日:
個人事業主の1年のカレンダー
会社員のときは会社がしてくれていた税金の手続きを、自分でします。1年のリズムはこうなります。
- 毎月帳簿をつける。領収書は月ごとにまとめて保存
- 2月16日〜3月15日所得税の確定申告と納付期限が土日祝日にあたるときは、次の平日になります(令和7年分は2026年3月16日まで)。
- 3月31日まで消費税の申告と納付消費税を納める人だけ(インボイス登録をした人など)
- 春〜夏ごろ住民税・国民健康保険料などの通知が届く時期や回数は市区町村によって違います
- 7月・11月所得税の予定納税前年の納税額などが15万円以上の人だけ
確定申告は5ステップ
確定申告は、1年間(1月〜12月)のもうけを計算して、所得税を自分で申告するしくみです。期間は翌年2月16日から3月15日まで(納付の期限も3月15日)です。
- 1帳簿を締める
1年分の売上と経費を、会計ソフトで確認します。
- 2決算書をつくる
青色申告の人は、損益計算書と貸借対照表をつくります(白色申告の人は収支内訳書)。
- 3申告書をつくる
所得から控除(社会保険料・小規模企業共済・iDeCoなど)を引いて、税額を計算します。
- 4e-Taxで提出
65万円控除を受けるならe-Taxで出します。マイナンバーカードがあれば家から出せます。
- 5税金を納める
3月15日までに納めます。口座振替(振替納税)やクレジットカードで払う方法もあります。
65万円控除の条件:複式簿記で帳簿をつけ、貸借対照表と損益計算書を添えて期限内に申告したうえで、e-Taxで提出する(または優良な電子帳簿保存をする)。条件を満たさないと55万円や10万円になります。
前の年の納税額が多いと、次の年は所得税の一部を前払いする「予定納税」があります。前年分の納税額などから計算した「予定納税基準額」が15万円以上の人は、その3分の1ずつを7月と11月に前払いするしくみです。
消費税とインボイス:最初の2年は原則かからない
消費税は、売上の規模で納めるかどうかが決まります。前々年の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として納めなくてかまいません。前年1月〜6月の課税売上高(または給与の支払額)が1,000万円を超えた場合や、インボイスの登録をした場合は、納める必要があります。
開業した年と次の年は、くらべる「前々年」の売上がないので、原則として納めなくてOKです。ただし2年目は、1年目の1月〜6月の売上などが1,000万円を超えていると納める必要があります。
インボイスに登録するかの考え方
取引先の多くが会社やお店で、インボイス(登録番号の入った請求書)を求められている人。登録しないと、取引先が払う消費税が増えるため、取引に影響することがあります。
お客さんがおもに一般の個人(消費者)の人。消費者はインボイスを使わないので、登録しなくても困らないことが多いです。
登録すると、売上が少なくても消費税の申告が必要になります。負担を軽くする特例として、納める消費税を売上の消費税の2割にできる「2割特例」が令和8年分まで使えます。令和9年分・10年分は、個人事業者なら「3割特例」が使えます。免税事業者が登録すると、登録を受けた日から2年間は消費税の申告が必要になります(取りやめても同じ)。
将来の備え:退職金と年金を自分でつくる
個人事業主には会社の退職金も厚生年金もありません。そのかわり、掛金を払うと税金が安くなる国の制度が2つあります。
小規模企業共済
個人事業主のための退職金の制度(中小機構)
掛金は月1,000円〜70,000円(500円単位)で、全額を所得から差し引けます。事業をやめたときなどに共済金を受け取れます。
中小機構の公式サイト →iDeCo(個人型確定拠出年金)
自分で運用して、老後に受け取る年金
自営業者の掛金の上限は月6.8万円(国民年金基金などと合わせて)で、2026年12月1日から月7.5万円に上がる予定です。掛金は全額を所得から差し引けます。原則として60歳まで引き出せません。
iDeCoは「運営管理手数料」で金融機関を選ぶ
iDeCoの手数料には、どこで始めても同じものと、金融機関ごとに違うものがあります。どこでも同じなのは加入時2,829円、毎月171円(国民年金基金連合会105円+信託銀行66円、いずれも税込)です。金融機関ごとの「運営管理手数料」が0円のところを選ぶと、長く続けても負担が小さくなります。
PR運営管理手数料が0円の主な金融機関(順不同)
2027年1月の引き落とし分から、国民年金基金連合会の手数料が月120円(税込)に変わる予定です。金融機関ごとの「運営管理手数料」は会社によって違います。選べる投資信託の数や種類は会社ごとに違うので、公式サイトで確認しましょう。
税理士に頼むなら
売上が増えて帳簿や申告が負担になったとき、消費税の申告が始まったとき、人を雇うときなどは、税理士に頼むのもひとつの方法です。確定申告だけを頼む方法と、毎月相談できる顧問契約があります。
日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで、登録されているすべての税理士を探せます。
税の一般的な相談は、国税庁の電話相談センターへ。各地の税理士会も無料相談会を開いています。
PR条件に合う税理士を紹介してもらえるサービス(順不同)
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freee税理士コーディネーター
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ミツモア
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- 確定申告の依頼で、複数の税理士の見積もりをくらべたい人
このマスのまとめ
- 帳簿は毎月。確定申告は2月16日〜3月15日
- 65万円控除はe-Taxで出すのが条件
- 消費税は最初の2年は原則なし。インボイス登録すると申告が必要
- 前年の納税額が15万円以上なら、7月と11月に予定納税
- 余裕が出たら、小規模企業共済とiDeCoで将来に備える