パターン別 会社員の副業

会社員の副業ルート:始める前の確認から確定申告まで

ひとことで言うと

会社員の副業は、①会社のルールを確認、②最初から記録をつける、③1年のもうけで申告を判断、の順に進めます。会社の健康保険と厚生年金はそのままなので、保険と年金の手続きはいりません。

最終確認日:

ポンちゃん
会社員のまま始められるのが副業のいいところ!最初に「会社のルール」と「記録」だけ押さえれば、あとはあわてなくて大丈夫だよ。

副業ルートは5マス

  1. 1会社のルールを確認就業規則で、副業が届出制か、禁止されている仕事がないかを見ます。
  2. 2記録をつけはじめる最初の売上から、売上と経費を帳簿につけ、領収書を残します。
  3. 3開業届と青色申告を考える事業として続けるなら、開業届と青色申告承認申請書を出します。
  4. 420万円ラインで申告を判断1年のもうけ(売上−経費)で、確定申告か住民税の申告かが決まります。
  5. 5住民税の納め方を選ぶ確定申告書で、副業分の住民税を自分で納めるかどうかを選べます。

1. まず会社のルールを確認する

国のガイドラインでは、副業は原則として認める方向が適当とされています。ただし会社は、次のような場合に副業を禁止したり制限したりできます。

  • 本業に支障が出る(長時間労働で体をこわすおそれがあるなど)
  • 仕事の秘密がもれる
  • 本業と競合して、会社の利益をそこなう
  • 会社の名誉や信用をそこなう

国のモデル就業規則は、会社に届け出れば副業できる「届出制」です。実際のルールは会社ごとに違うので、始める前に就業規則を読み、必要なら届け出ましょう。

公務員の人は別のルールです。国家公務員が自分で事業を営むこと(自営兼業)は法律で原則禁止で、承認を得た場合などに限られます。所属先に確認してください。

2. 副業の所得は「事業所得」か「雑所得」か

副業のもうけは、税金の上では「事業所得」か「雑所得」のどちらかになります。分かれ目は、社会通念上「事業」と呼べる程度で行っているかです。そして、取引を記録した帳簿や書類を保存していないと、原則として雑所得になります(収入金額が300万円を超え、事業所得と認められる事実がある場合は除きます)。

事業所得

事業として続けていて、帳簿もある

  • 青色申告ができる(最大65万円の控除)
  • 赤字が出たら、給与と差し引きできる
  • 帳簿の記帳と保存が必要

雑所得

おこづかい程度・単発の仕事など

  • 青色申告はできない
  • 赤字が出ても、給与と差し引きできない

事業として続けるつもりなら、開業届と青色申告承認申請書を出しておくと、65万円控除などの特典を使えます。開業届の期限は事業を始めた年の確定申告期限まで、青色申告の申請は青色申告をしたい年の3月15日まで(1月16日以後に開業した場合は、開業日から2か月以内)です。出し方は「届け出る」のマスで説明しています。

カタカタ
開業届を出しただけで事業所得になるわけじゃないんだ。大事なのは、ちゃんと記録をつけて続けること。帳簿は7年、領収書などは5年残しておこうね。

3. 「20万円ライン」で申告を判断する

副業の「もうけ」(売上から経費を引いた所得)が1年でいくらだったかで、やることが変わります。売上ではなく、経費を引いたあとの金額で考えます。

20万円をこえた所得税の確定申告をする

翌年2月16日〜3月15日に申告します。確定申告をすれば、住民税の申告は別にしなくてOKです。

20万円以下住民税の申告をする

所得税の確定申告はいりませんが、住民税の申告は必要です。お住まいの市区町村に申告します。

20万円ルールは、給与を1か所から受け取り、年末調整を受けている人の場合です。給与が2か所以上ある人などは条件が変わるので、国税庁の案内で確認してください。

4. 住民税の納め方を選ぶ

会社員の住民税は、ふつう給料から天引きされます(特別徴収)。副業の分の住民税も、何も選ばなければ、給料からいっしょに天引きになります。

確定申告書の「住民税に関する事項」で「自分で納付」を選ぶと、給与以外の所得の分は自宅に届く納付書で自分で納められます(普通徴収)。

選べるのは給与・公的年金以外の所得の分だけです。副業の所得が赤字のときなどは、すべて給料から天引き(特別徴収)になります。扱いは市区町村によって違うことがあります。

5. 保険と年金の手続きはいらない

会社員のまま副業をする人は、会社の健康保険と厚生年金に入ったままです(国民年金では「第2号被保険者」)。会社を辞めて開業する人とちがい、国民健康保険や国民年金に切り替える手続きはいりません。

副業の仕事の探し方

知り合いからの紹介のほかに、ネットで仕事を受けられる「クラウドソーシング」があります。はたらく側の登録は無料で、報酬から手数料が引かれるしくみです。

PR主なクラウドソーシング(順不同)

クラウドワークス

登録
無料
受注者の手数料
報酬のうち10万円以下の部分は20%、10万円超〜20万円以下の部分は10%、20万円超の部分は5%(別途消費税)
タスク形式
一律20%(別途消費税)
公式サイトで見る

ココナラ

登録
無料
出品者の手数料
販売金額の22%(税込)
しくみ
自分のスキルを「サービス」として出品し、買ってもらう
公式サイトで見る

手数料は2026年10月19日に各社の公式サイトで確認したものです。最新の条件は公式サイトで確認してください。報酬から源泉徴収される仕事もあり、その分は確定申告で精算します。

副業ルートのチェックリスト

  • 就業規則を読み、必要なら会社に届け出た
  • 最初の売上から、売上と経費を記録している
  • 事業として続けるなら、開業届と青色申告の申請を出した
  • 1年のもうけが20万円をこえたら確定申告、20万円以下なら住民税の申告
  • 確定申告書で、住民税の納め方を選んだ
ポンちゃん
次は「届け出る」マスで、開業届と青色申告の出し方を見てみよう!